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文化学院・高等課程の特色「映画 (シネマリテラシー)」

生徒たちで実際に映画をつくり、人間力を養う授業、「映画 (シネマリテラシー)」。
人間形成を目的にした必修科目です。

映画の脚本づくりから撮影、編集、上映までを、生徒たちの手で行う。
そんな実践的な授業を「映画(シネマリテラシー)」といいます。最初に実施したのは、オーストラリアのハイスクール。多人数でのグループ作業が人間形成に効果があることが認められ、数年前から全世界の教育現場に波及しようとしています。
文化学院高等課程「総合芸術科」では、いち早く「映画(シネマリテラシー)」の導入を決定。
2009年の春から全生徒の必修科目として実施しています。
では、その授業内容を詳しく知るために、担当教員の花田深先生にお話をうかがいました。


仲間と打ち解ける日が来るまで、ゆっくりと。

映画づくりは、共同作業です。ある人は演出に、ある人はカメラマンに、ある人は録音係と、それぞれに役割が与えられ、協力しあって進行します。当然、チームワークが良くなければ、優れた作品は生まれません。メンバー同士、腹を割って話しあい、声を掛けあうことが重要です。

しかし「私は人見知り。集団行動が苦手」という人もいるでしょう。大丈夫。時間がかかってもいい。ゆっくりと仲間に加わってください。あなたに任せたい役割が、必ずあります。いきいきと輝けるパートが見つかります。

ドキュメンタリー映画の題材を探ろう。

文化学院の高等課程は、前期後期に分かれる2期制です。この授業では、前期は「ドキュメンタリー」を、後期は「短編ドラマ」を撮ります。

ドキュメンタリー映画は、何をテーマにするかが大切です。テレビや新聞で大々的に報じられた事件もよし。近所の商店街の名物オジサンでもよし。お父さんやお母さんの話でもいい。とにかく、自分の興味あることに首を突っ込んでみましょう。

ウソを撮るな。撮る前に自分自身で調査せよ。

チームメンバーと議論をし、「ドキュメンタリー」の題材が決まったからといって、すぐには撮影に入りません。その題材について徹底的に調べます。それは、なぜか。事実を検証しないままでは、真実が写しとれないからです。

こうした人間の「ウラ」の事情も知らなければ、本物のドキュメンタリー映画にはなりません。私は、若いうちから「世間の不条理」を見つめる姿勢が、「深く物事を考える」能力を育むと信じています。

映画づくりは、他人に迷惑がかかる。どうする?

最初に言ったように、映画はいろんなパートの人が集まってつくります。演出、シナリオ、美術、カメラ、照明、録音、編集、役者、ナレーター。この授業では、1チーム6人構成なので、誰かが誰かをフォローしなければなりません。では、他のメンバーに助けを求めるとき、あなたならどう切りだしますか?

また、ドキュメンタリー映画の場合、屋外で撮影するケースが多くなります。例えば、公園で撮影しようと思ったら、ベンチに座るカップルが邪魔になった。どいて欲しい。あなたなら、どうお願いしますか?考えてみてください。

他人を意識しなければ、言いたいことは伝わらない。

後期になると、いよいよ台本のある短編ドラマを制作します。その前にあえて一言、申し上げておきましょう。

映画は芸術作品なんだから、自分の思い通りに表現できればそれでいい。いいえ、それは違います。自分の伝えたいことを人に理解してもらうことに、映画の存在価値はあります。作者のメッセージが伝わらない映画は、はっきり言って駄作です。プロの映画人は、常に観客を意識しています。この授業でも、同じこと。あなたも映画づくりを通して、他人に自分の意思を伝える方法を考えてください。

失敗なんて気にせず、前に向かって突き進め。

撮影現場は、常に激動です。アクシデント発生、なんてしょっちゅうです。でも、そこでへこたれていては物事は前に進みません。私は助監督時代、イヤというほど困難な出来事に出くわしました。でも、こうして生きている(笑)。若い人に映画づくりを教える立場にいる。そう、人間は失敗を繰り返し、立ち直ることで強くなれるんです。だから「映画(シネマリテラシー)」でも、大いに転んでください。そして、良い解決策を提案して、自分自身で起き上がってください。我々教員は、その手助けをします。

この授業は、映画制作のプロ養成を目的にしていません。みんなで楽しく映画をつくり、世の中や他人をしっかり見つめ、最後に物事の本質を理解してくれれば、それでいいのです。将来、作家になりたい、役者になりたい、声優になりたい…。あなたの夢の実現に少しでも役立ってくれれば嬉しいかぎりです。

  • 講師

    花田 深

    花田 深(映画監督)

    プロフィール
    助監督歴17年でついた監督は60人以上。テレビドラマは『子連れ狼』『西遊記』『北の国から』など。劇映画は『オキナワの少年』『優駿』『ラッフルズホテル』など。1991年サウジアラビア・日本合作劇映画『小さな冒険者たち リトル・シンドバッド』で監督デビュー。

シネマリテラシーの授業風景

「シネマリテラシー」の授業では前期はドキュメンタリーの制作に励んでいます。
1班6・7人の7班がテーマごとに別れて現在取材中!!

  • シネマリテラシーの授業
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