文化学院 クリエイティブ・カフェ vol.17
千葉雅也・米田尚輝「アートの縁/デザインのへそ」

概要
ゲスト 千葉雅也(ちば まさや)
1978年生まれ。哲学/表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員PD、高崎経済大学非常勤講師、東京藝術大学非常勤講師、東京大学「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)共同研究員。
米田尚輝(よねだ なおき)
1977年生まれ。近現代美術史/表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。国立新美術館研究補佐員、文化学院非常勤講師、跡見学園女子大学非常勤講師。
テーマ アートの縁/デザインのへそ
日時 2010年10月15日(金) 19:00~21:00
費用 500円(コーヒー・お菓子代として)
場所 文化学院・2階マルチスペース
主催 文化学院 クリエイティブ・メディアセンター

内容

2000年以降、とりわけ東アジアと中東を中心とした世界各地で、日本では横浜トリエンナーレ(第一回は2001年)をはじめとして、毎年数多くのビエンナーレやアートフェアが開催されています。その展示内容を見てみれば、ヴェネツィア建築ビエンナーレやミラノサローネといった大規模なものを除いたとしても、建築デザインやプロダクトデザインを対象とした展覧会がこれまでになく増えてきているように思われます。

マルセル・デュシャン以後、20世紀のファイン・アートは、それがファイン・アートであること/でないかもしれないこと、を自己言及的に主題化するようになりました。この事態のなか、戦後アメリカでのアンディ・ウォーホルは、作品の「ファイン」な気取りを保ちつつ、彼自身をもそこに組み込んだインダストリアルな仕方でアートの「縁」を伸展しました。デュシャンの言葉を借りるならば、「極薄」になっていくファイン・アートと、多様化し膨脹するデザインの領域とが、分身的に重なっていく。どこまでがアートの縁であり、どこがデザインの核心、「へそ」なのか? 互いを飲み込み合い、裏返し合う、アートの縁とデザインのへそ……。

日本に目を向ければ、戦後のクリエイターのなかでグローバルに存在感を見せつけたのは、アーティストというよりはむしろデザイナーであるのかもしれません。90年代以後には、「世界」という名の「西欧」中心的な市場において、「ポップ」で「クール」な日本的文化が一定の勝利を収めているかのようです。そして、万事の「工学化」がますます加速している今日、ファイン・アートの様々な文脈づけは、広義の情報デザインと識別しがたくなっているように思われます。

今回のカフェでは、今日におけるデザインとアートの交錯について、歴史的背景をふまえつつ再検討したいと思います。