文化学院 クリエイティブ・カフェ vol.19
松原弘典「建築を“真剣に”つくりたい:コンゴアカデックス小学校設計建設プロジェクト」

概要
ゲスト 松原弘典(まつばら ひろのり)
1970年生まれ。建築家/北京松原弘典建築設計公司執行董事・慶應義塾大学SFC准教授
テーマ 建築を“真剣に”つくりたい:コンゴアカデックス小学校設計建設プロジェクト
日時 2010年12月17日(金) 19:00~21:00
費用 500円(コーヒー・お菓子代として)
場所 文化学院・2階マルチスペース
主催 文化学院 クリエイティブ・メディアセンター

内容

「真剣に」つくること、これはあたりまえのことのようで意外と難しい。手を動かして何かを作る、というのは、往々にして考えることを忘却すること、手の動きに没入することでもあるからだ。考えるばかりではものはつくれないし、手を動かすことにかまけて考えることを後退させるのもいかがなものかと思う。私があこがれるのは、手を動かしながら頭も高速で回っている状態──それを私はここで「真剣」と呼んでいるのだけれど──であり、建築を構想するときもそうでありたい、と思う。

2008年から慶應義塾大学SFCの私の研究室では、アフリカのコンゴ民主共和国に小学校をつくるプロジェクトを進めてきた。コンゴはアフリカ最貧国で長く内戦が続いていた地域だが、首都のキンシャサ付近はすでに状況も安定し、アフリカ3番目の広大な国土と豊富な地下資源を背景に急速に成長しつつある。日本の大学を主体としたプロジェクトチームが、この首都近郊に、校舎を建設しつつ日本の先進的なカリキュラムを導入した新しい学校を作りつつある。すでに2009年夏に第一棟教室が竣工して開校式も行なった。2010年夏には第二棟教室も完成し、今はここで2学年の児童が学んでおり、これからあと4年かけて6つの教室を建設する予定である。毎年1学年ずつ児童も入学してくるのにあわせて校舎も1棟ずつ建設され、2014年には全学年がそろって校舎も全部できあがることになっている。子どもとともに成長する学校というコンセプトを実践している。

6つの校舎は毎年日本で違う形状を設計し、夏にコンゴ人と一緒に建てる。2週間の夏の現地滞在中は子供たちや現地の学校の先生と教育ワークショップをしたり、コンゴのさまざまな場所を訪問したりもする。我々日本人はコンゴを知り、コンゴ人は日本を知る。どちらも「真剣」である。だから面白いし、ちょっと普通では体験できないような交流ができる。クリエイティブ・カフェではその「真剣」の一端をご紹介したい。

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